漢方医は患者を診る時、病気と体質の因果関係を考えるために、症状とは全く異なるような問診をすることもあるでしょう。


西洋医学の痛みや不調に合わせた薬を処方し、治療していく「対処療法」とは異なり、漢方医学では、症状に加え、元来その患者が持っている体質や、不調になっている原因を紐解くことで、全身の状態を把握し、一人一人に合わせた漢方薬を処方し、全体的に体調が整うように導いてくれるのです。


漢方医学で患者の元々の体質を判断することを「証(しょう)」と言います。この証によって、たとえ同じ病気や症状であっても、患者の体質に合わせて処方される漢方薬は異なります。証とは、もともとの体質をあらわす、ものさしのようなものです。


◎虚証(きょしょう)

本来あった生命力や抵抗力、免疫などが低下している状態をいい、虚弱体質の人が不健康になったような状態を言います。


虚証の人の特徴として


  • 体力がなく、弱々しい。
  • 体格は細くて、華奢。
  • 顔色が青っぽい。肌が荒れやすい。
  • 声は低く、小さめ。
  • 胃腸は弱く、下痢をしやすい。
  • 冷え性、寒がり。

などが挙げられます。


この虚証のタイプの人は、病気になると慢性化しやすい傾向がみられます。そのため、食事には注意し、脂っこいものや暴飲暴食を日頃から控える必要があり、健康に注意しながら日常生活を送るよう配慮が必要です。


◎実証(じっしょう)

もともとの体は丈夫ですが、外的な要因や有害物質(邪)によって、体の機能が弱ったり、不健康になったりした状態を言います。


この実証の人の特徴として


  • 体力がある。
  • 筋肉質で、がっちりした体格。
  • 顔色は良く、血色が良い。肌にツヤがある。
  • 声は大きく、高い。
  • 便秘気味である。
  • 暑がりである。

などが挙げられます。この実証のタイプの人は、疲れを感じにくく、ついつい無理をしてしまう傾向が強いため、普段から無理をせず、普段から意識的に体を休ませる必要があります。



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